NY Fed (Liberty Street)Finance
非銀行子会社と内部資本市場再配分の隠れたもろさ
Nonbank Subsidiaries and the Hidden Fragility of Internal Capital Markets Reallocation
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銀行規制が銀行持株会社(BHC)の組織構造にいかに相互作用するかを探る3部構成シリーズの最終回である。このシリーズは、著者らの最近のスタッフレポート「企業内規制裁定取引」に基づいている。
第1回では、銀行持株会社内部に存在する資本が豊富な非銀行子会社の実態が明らかにされた。第2回では、バーゼルIIIの規制要件を満たすため、銀行持株会社が新規外部資本の調達ではなく、非銀行関連会社から銀行子会社へ資本を移動させる内部資本再配分を活用していることが示された。
本稿が焦点を当てるのは、このような内部資本再配分が金融安定性にもたらす含意である。銀行規制の厳格化に対応する過程で、多くの大手銀行持株会社が既存の非銀行子会社の資本を活用することで、規制要件をクリアしてきた。しかし、この手法には重大なリスクが潜んでいる。内部資本移動に依存することで、各子会社の個別的な資本充実度が不透明になり、経済ショックが生じた際には、子会社間の資本流動性の制約が露呈する可能性がある。つまり、規制当局の目には十分な資本が確保されているように見えても、実際には脆弱な内部構造が隠されているのである。このような隠れたもろさが、今後の金融安定性に向けた重要な課題となりうることを示唆している。